5回目のもふだら。前回も数字にまつわるお話をしましたが、「5」と聞いても、私はこれといった話を思いつきませんでした。そこで、せっかくなので少し調べてみたところ、東、西、南、北、そして中央。この5つを合わせて、「五方(ごほう)」と呼ぶことを知りました。開会式では、いろいろな場所から沼津へ集まってくださった皆さまと、この場所を楽しさと優しさの「中心」にできれば、というお話をしました。

今回の企画では、前回の「ケモノさん紹介コーナー」を拡張する形で、「ケモノさんクイズ」に挑戦しました。私たちが一方的に紹介するだけではなく、クイズにすることで、初めて見る方にも、それぞれのケモノさんのことを楽しく知ってもらおう、という企画です。

私は、自分自身がほかのイベントに参加する機会があまり多くありません。そのため、ほかのイベントではどのような企画が行われているのか、参加する側はどんなことを楽しいと感じるのか、十分な引き出しを持っているわけではなく、毎回「これで本当に楽しんでもらえるだろうか」と頭を悩ませながら、手探りで企画を考えています。今回のクイズも、前回と同じことをそのまま繰り返すのではなく、どうすればもう少し楽しく、印象に残る紹介ができるだろうと考えた末の試みでした。

実際にやってみると、答えを考えてもらう時間や、正解が発表されたときの反応、その後の解説まで含めて、それぞれのケモノさんらしさを伝えられる企画になったのではないかと思います。もちろん、進行や見せ方など、実際にやってみたからこそ分かったこともあります。それらも次回以降に生かしながら、少しずつ形を整えていければと思っています。

そして、会場内には今回新たに「撮影小道具コーナー」を用意してみました。「これをケモノさんが持ってみたら面白い」とか「こんなものを持って撮影したら楽しそう」思うものを、皆さまに持ち寄っていただくコーナーとして設けました。私たちでもいろいろと、小さなぬいぐるみとか、花とか、そんなものを用意しました。

正直なところ、どのくらい集まるのだろうと思っていたのですが、私が想像していた以上に、さまざまなものを持ち寄ってくださいました。中には、「これはいったいどこで買えるんだろう」と思うものや、「そもそも、これが商品として世に出るまでに、どんな稟議を通ったんだろう」と、別の意味で気になってしまうものまでありました(笑)。撮影小道具コーナーは、みんなで一緒につくる企画ならではの面白さを感じられるものになりました。

そのほかにも、イベント全体を大きく変えるほどではありませんが、細かなところをいくつか見直してみました。

中でも、運営上もっとも大きな変更となったのが、参加費の事前決済です。お金のやり取りというものは、とにかく神経を使います。受け取った金額に間違いがないか、お釣りは合っているか、記録が漏れていないか。参加者の方が続けて来場する中で、それらを一つひとつ確認することは、受付を担当するスタッフにとって、想像以上に大きな負担になります。

事前決済を導入したことで、当日の受付はこれまでよりもずっとスムーズになりました。現金を扱う場面が減り、受付を担当するスタッフの心的な負担も、かなり軽くなったと思います。主催としても、参加費の入金と、会場費や備品代などの経費を突き合わせる作業が圧倒的に楽になりました。誰から、いつ、いくらお支払いいただいたのかが記録として残るため、開催後の会計処理も、これまでより正確で分かりやすいものになりました。

とはいえ、これは単に、運営する側にとって便利になったというだけの話ではありません。参加者の皆さまにとっては、イベントがまだ始まる前、当日がどのような一日になるのかも分からない段階で、先に参加費をお支払いいただくことになります。開催前に参加費をお支払いいただくということは、このイベントを信頼していただくことでもあります。主催としての責任を、これまで以上に感じさせる取り組みでもありました。

ほかにもみなさんのお手元で分かりやすいところだと、今回から名札を両面にしてみました。人間もケモノさんも、会場内をあちこち歩いているうちに、あるいは扇風機の風を受けたり、身体を動かしたりしているうちに、名札ケースは物理の法則に従って、ちょっとした拍子に、くるくる、くるくると裏返ってしまいます。今回はくるくる氏はお休みでしたが、名札のほうは相変わらずよくくるくるしていました。

裏返った名札をわざわざ戻さなくても、互いの名前を確認できるようにしたい。その、ほんのささやかなやさしさを形にしてみました。

名札を両面にするにあたって少し厄介だったのが、用紙の切り離しです。私が使っているのは、A4サイズの用紙がミシン目で8分割されているタイプ。片面印刷であれば、ミシン目に沿ってサクサクと気持ちよく切り離せるのですが、両面印刷にすると、裏側にもトナーが載るせいなのか、途端に切り離しづらくなります。少し力加減を間違えると、紙の表層が「ビリッ…」と持っていかれる。これが地味ながら、なかなかの発狂ポイントでした。

しかし、ここで心を折るわけにはいきません。私はこれまで、サービス業一筋で頑張ってきた人間です。お客さまが喜んでくださるのであれば、自分の身を粉にすることもいとわない。そんな精神をたたき込まれながら仕事を続けてきた私にとって、こんな発狂ポイントの一つや二つ、なんのそのです。参加者のみなさんの笑顔。みなさんの笑顔。笑顔、笑顔、笑顔、笑顔、笑顔、笑顔、笑顔、笑顔、笑顔、笑顔…。そう自分に言い聞かせながら、一枚ずつ慎重に切り離しました。

というわけで何カ所か変更点はありましたが、とはいえ1つ1つは小さなものです。例えば名札が両面になったからといって、急にもふだらがすごく楽しくなるわけでも、進行が大きく変わるわけでもありません。けれど、小さな不便だったり違和感を見つけて、次の開催では少しだけ良くしてみる。そんな改良を一回ごとに積み重ねていけることも、回を重ねて開催する面白さの一つだと思います。

さて、楽しかった一日も、いよいよお片付けの時間へ。すると突然、会場のどこからか「ウィーン」というモーター音が聞こえてきました。

「???」と思って音のするほうを見ると、なんと掃除機を持ち込んでくださった方が、床を掃除していました。まさかもふだらに掃除機を持参してくださる方がいるとは、さすがの私も想定していませんでしたが、文明の利器はやはり強い。細かなごみがみるみる吸い込まれていき、そのおかげもあって、今回は過去最速のお片付けとなりました。

いろいろな場所から沼津へ集まってくださった皆さまと、この場所を楽しさと優しさの「中心」にできれば、そんな思いで始まった5回目。そして、中心というのは、ただ人が集まるだけの場所ではなく、そこから何かが広がっていく場所でもあるのだと思います。この場所で生まれた楽しさや、誰かから受け取った優しさが、皆さまとともに東へ、西へ、南へ、北へと持ち帰られ、その先で出会う誰かへ、ほんの少しでも分けられていく。

そうして広がったものが、いつかまた沼津という中心へ戻ってきたなら、こんなにうれしいことはありません。「もふもふだら? In 沼津 5th」に集まってくださった皆さま、本当にありがとうございました。